鉄筋人の民族大移動 ~ 慣れ親しんだもの ~
2025/09/12
秋晴の候、皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
また平素よりご高配を賜りまして厚くお礼申し上げますm(__)m
さて今回のテーマは、鉄筋人の民族大移動!
我が今本工業、数十年ぶりの大引っ越しスタートの巻と相成ります。
この度、令和7年9月1日に弊社新工場の建設が満を持してスタート。この新工場は社長の長年の悲願でした。弊社アーカイブとしてブログに残しますので、しばしお付き合いいただけますと光栄に存じます。
全工事期間は約11か月であり、来年の8月からは最新の機械を導入した新工場にて鉄筋加工が始まる予定となっております。これで屋根のない青空工場からは脱却。生産性がブチ上がること間違いなしで、社員さんたちも大いに期待しています。もう鉄筋も錆びないですし、職人さんも直射日光を浴びずに済みます。
近年は不景気も相まって設備投資に資金を注入することをためらう会社も多いとのことですが、ウチは目ん玉が飛び出るほどの費用を投下して最新の工場を建設。ついでに隣に瀟洒な社屋も新設します。事務所内にはメジャーリーグのロッカーにあるようなシャワールームまで完備♡
ちなみに何にもない土地に工場を作るわけではありません。長きにわたり我らの働きの拠点であった旧工場と全く同じ場所に新工場が建つのです。すなわち一時的に我が今本工業は引っ越しを余儀なくされることとなります。それもただの引っ越しではなく、資材となる鉄筋、切断機、曲機、門型クレーンなどを仮の加工工場や資材置き場にすべて移設するという大規模なムーブメント。
考えただけで恐ろしい…
当然そこには職人さんが休憩するプレハブも必要ですし、電気や水道もマスト。勝手が違う場所で1年弱にわたる作業を強いることになるわけで、彼らの抱えるストレスが半端ないことは明々白々。会社側は少しでも快適に仕事ができるようプレハブの設備も充実させないといけないですし、やることだらけ&用意するものだらけです。
大丈夫かなって心配してましたが、社長の差配は目を見張るものがありました。手前味噌で恐縮ですが、ホントに凄かった。
2025年夏からの引っ越しに際して
☟
❶半年以上前には近所に仮工場となる土地をめちゃ安で契約
❷2か月前に近所に資材置き場となる物件をやや安で契約
❸仮工場をしっかりと整地
❹工場建設に関しては設計業者さんとの数十回に及ぶ打合せ
❺融資に際して銀行と数十回の面談
❻資材を運ぶために自らトレーラーのけん引免許取得
❼そのトレーラーをめちゃ安で貸してくれる方ゲット
❽けん引免許を取るついでに大型二輪もゲット(?)
ん、大型二輪?
~お、社長来た~
私 : いよいよですね。
社長: あぁ、始まるね。
私 : それにしても引っ越し大変ですね。
社長: 俺、トレーラーの免許取って良かったやろ?
私 : 間違いない。でも大型バイクの免許要りましたか?
社長: あ、いやまぁ、ついでというか若気の至りみたいな♡
至るな♡
~ 8月23日 ~
まず最初の大物移設は弊社工場にある3つの門型クレーン。2つは古いので廃棄予定ですが、1つは仮工場に移設してフル稼働させます。
【門型クレーン】
これが
こうなって
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こうなる。
まるでキリンが水を飲んでるようにしか見えない。
当然プロに作業依頼してますので、こちらは見てるだけ。あと決してお安くない費用のお支払いだけ。
~ 8月27日 ~
弊社社屋は事務棟と設計棟の2棟がありますが、今回は工事の兼ね合いで設計棟は先に取り壊しです。そこで問題になるのがどこに設計棟を移動させるのかということ。近所の物件に間借りさせてもらう案が出ましたが、ネット環境の問題でボツに。残された道は事務棟にある物置と化した和室を片付けて利用できるようにする作戦です。3人の職人がデスクワークに勤しめるスペースはギリある。しかしながらこの和室には大量の物が置かれており、古い金庫やタンスなどの重い家具まである。
あぁ、嫌な予感がする。いや、嫌な予感しかしない。事務方で男性は私だけ。しかも体が大きく力持ちに見えてしまうし、大型免許もある。
まったく力持ちではないし、大型の運転スキルも大したことない。でもこの作業は間違いなく私に白羽の矢が立つはず…と考えてるところに社長来た。
社長:もう、こんなのは人海戦術しかないからよろしく。
私 :お任せください。あと人は…
社長:いや、とりあえず一人やね。
私 :…
※注
人海戦術
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多くの人力を投入して困難を乗り切ろうとする戦術。
やるしかない。
まずは処分する物、資材置き場に一時避難させる物を分別します。
保管する物はトラックに載せて近所の資材置き場へGO。新しいプレハブを借りているので助かります。捨てるものが出ると、私がユニックやダブルキャブに載せて弊社敷地内にあるバッカンへGO。何度もGO。たまには軽トラで足攣りそうになりながらGO。タンスやサイドボードは解体しないと場所を取るので、つるはしで破壊して捨てる。手つきのおぼつかない私の姿を見てすぐに駆け寄ってくれたのが大御所のK氏。
御年75歳のK氏。つるはしを手に何かに取りつかれたようにタンスを壊しまくっているお顔には笑みも浮かんでいて 、ホラー 素敵でした♡
8月30日には加工場の職人さんたちが冷蔵庫や長机などを移設先に一気に運んでくれて大助かり。設計棟の中がすっからかんになり、9月1日からプレハブ2棟のうち1棟の取り壊しが始まります。
【プレハブ設計棟】
こちらはいつぞやの安全会議の様子ですが、左に見えているのが設計棟。
これが…
1日でこうなって、さらに
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5日もすればこんな感じです。
今まで何十年もの間、毎日積算&拾い出しが行われ、職人さんたちの憩いの場でもあった設計棟は跡形もなくなりました。なんだかノスタルジックな気持ちにさせられます。ちなみにここは将来的に舗装して駐車場になる予定。
【明日に架ける橋】
設計棟解体が始まった日の夕方。勝手の違う仮加工場での作業の打合せを密にする社長・部長・ショウラジ・サヒル。みんな本当にビックリするほど主体的に動きます。変化に対応する力がすごい。
この画、サイモン&ガーファンクルが聴こえてきそう。
♪Like a gridge over troubled water I will lay me down.
私 :社長、プレハブが無くなってちょっと淋しいんでしょ?
社長:ん?全然。
私 :え、全然?
社長:建物が無くなったことは小さいことやん。
私 :はぁ。
社長:ここに何十年もあったこと自体がすごいんよ。
なんか最近哲学者みたいなセリフが多いんよ。
どの瞬間でも選択肢は2つある。成長に向かって一歩前に出るか、安定を求めて一歩下がるか。ウチの社長は迷いなく前者を選びました。
「勇気とは慣れ親しんだものを手放す力のことである」
レイモンド・リンドクウィスト
でもね、人は手放してはいけない。ただ、その人が旅立ちたい時を除いては。今本工業は来る人も去る人も帰ってくる人もみんな大切にします。
次回は仮工場ドタバタ日記かな。
皆様今月もご安全に m(__)m


