今本工業株式会社

12月用ブログ(原稿)

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社長のことが少し分かってきた… ニーチェだった

社長のことが少し分かってきた… ニーチェだった

2024/12/20

師走の候、皆さまにおかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

また平素よりご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 

今年も残すところあと10日あまりとなりましたが、2024年の締め括りは順調に進んでおられますでしょうか?またお仕事柄、複数の忘年会にご参加される方も多いかと存じます。交通事故や犯罪も多くなる年末でございますので、くれぐれもご自愛のほどお願い申し上げます。

 

 

さて何かと気忙しい12月。今本工業では関係するイベントが複数あり、さらに気持ちが焦ります💦

 

まずは毎年恒例の職業体験出張授業。福岡市技能職団体連合会からの依頼を、我らが福岡県鉄筋事業協同組合が引き受けます。こちらはものづくり体験授業として12月に3度、県内の小学校⇒中学校⇒小学校と計3回の出張授業を実施するもので、様々な業種のプロフェッショナルが一堂に会し若い世代にものづくりの楽しさをお伝えするという試みです。

 

まぁこれは青年部に所属する複数の鉄筋会社社長たちが担当するので、私はセーフ。

 

 

 

【社会貢献の一環として参加いたします!】

 

 

って安心していると、社長から同行するようにご指示がありました。

しかもなんと「おまえ司会せえ」と。

「俺たち職人が話すよりお前の方が話うまいやん」とも。

 

「3回あるうちの1回目だけはオブザーバーとして参加して雰囲気を見て、あとの2回は頼むよ」

いやいやいや、歳だけは取ってますが鉄筋の「ての字」もわかっていないような私が…と0.1秒だけ考えましたが答えは「よろこんで!」と、どこかの居酒屋店員風。

 

 

前回のブログでも言及しましたが、私は残りの人生を疾走中。「乗りかけた船にはためらわず乗ってしまえ」というツルゲーネフの言葉が支えです。私事ですが、実際に前職時代は1,500人規模のセミナーにも登壇して偉そうに語っておりましたし、100人程度の勉強会での講義は日常でしたので、実習中にヘルメットを被って髪型がぺしゃんこになること以外は特段気になることもなく安請け合いしてしまいました。

 

 

しかしこれが大間違い。

 

【社長の運転で福岡市早良区の小学校へと向かいます💨】

※イメージ図(ホントは鉄筋組立セットを積んで3t車で出向きました)

 

 

社長との二人ドライブはいつも楽しい。ホントに裏表が無い人で正直。悪く言えば不器用。そんな社長との会話がこちら。

 

 

 

私  : 講師の役目は緊張されますか?

 

社長 : 緊張なんかせんよ。ただどうしたら…

 

私  : 「きたきた、どうしたら上手く話せるのか知りたいんでしょ?教えますよ♡」

 

社長 : ただどうしたら…子供たちにきちんと正しく伝えられるのかが難しい。

 

私  : …

 

ここ大注目していただきたいのですが、多くのプロ講演者が「話上手に見られたい。話が面白いと思われたい」ということを優先させがちです。しかしながら社長は相手にどう見られたいかではなく、相手にどう伝えたいかということしか頭の中にないのです。

 

本物やん。

 

 

 

 

 

私  : 今回はありがたく同行させていただきますが、残り2回はお一人で行ってください。私、司会できません。

 

社長 : はぁ?なんでー?

 

私  : ものづくりの楽しさを伝えられるのは本物の職人だけです。何も知らない私がそれらしくお話すれば、それは嘘になってしまいます。

 

社長 : なんなん!せっかく楽できると思ったのに~。ま、いっか。

 

 

 

運転している社長の横顔をこっそり見ると受け口でにやけています。

ホンモノノショクニンという言葉が心の琴線に触れたようでヨロコンデイマス♡

 

 

 

【到着するとすぐに準備が始まります】

 

青年部に所属する各社の社長さんがテキパキ土台を組み上げていく姿はまさに匠の技。3カ所で土台となる鉄筋を組み上げていますが、なぜか3チームとも本気でスピードと美しさを競いだしてバトルモード。大人が真剣に戦ってる…

 職人さんってなぜかいつもこんな感じ。

 

 

【いよいよご対面】

 

 

真ん中で説明を行っているのが弊社社長です。シーンとした体育館の中、教える側も習う側も緊張の面持ち。社長の話に小学生も真剣に聞き入っています。お話もとても上手で100点です。

 

 

【子供用のヘルメットがかわいい♡】

 

鉄筋を結束する道具・ハッカーの説明。皆さんの人生は果てしなく長く続きますが、結束体験はきっと今回が最初で最後。

 

 

 

【3チームに分かれて鉄筋組立体験スタート!】

 

 

初めての体験ですが、みなさん積極的にチャレンジしています。「難しい~」「くそ~」「あぁ、失敗した~」なんて言いながらも、全員がその手を休めることをしません。子どもの素直なパワーって凄いなぁと改めて実感しました。

 

 

【女子生徒さんも自らご参加されました】

 

 

様々な企業の中で女の子が自ら鉄筋組立体験を選んだとは思えず、「じゃんけんで負けて来たの?」と尋ねると、「一生に一度の体験になるかもしれないと思って、自分たちで選びました!」「鉄筋コーナーは、じゃんけんで負けた人は一人もいません!」とのこと。ちょっと嬉しい。

 

 

 

【閉会にあたって】

 

 

締め括ろうと挨拶を始めるも、鉄筋組立に関する質問が止まりません。鉄筋と直接関係がなくとも、このようにものづくりに少しでもご関心をお持ちいただけると職人冥利に尽きます。帰り際も男の子たちはトラックまでやってきて質問の嵐。社長がずっと笑顔で丁寧に対応していたのが印象的です。

 

 

 

 

帰りの道中、社長と二人でずっと語りました。

 

私  : 他の社長さんたち、みんな良い方ばかりですね。私なんかにも親切にしてくださいました。

 

社長 : みんな仲間やけん。鉄筋愛が強いんよ。

 

私  : あと2回、頑張って。社長が鉄筋道を貫いてください。

 

社長 : それよ。俺は鉄筋のことだけなら誰にも負けん。

 

私  : 技術と知識の裏付けがありますもんね。

 

社長 : 俺は絶対に水が湧き出ると信じて、自分の置かれた場所をずっと大切にしてきたんよ。

 

私  : 「あ、出た。それニーチェ」

 

 

汝の立つ処、深く掘れ

そこに必ず泉あり

 

フリードリヒ・ニーチェ(1844~1900)

 

 

良い一年の締め括りは、来年の輝かしいスタートに繋がります。

年末のこりわずか、くれぐれもご安全に!

 

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